ガレージ用シャッターや窓シャッターは、今や電動タイプが主流になっています。しかし、実はご近所トラブルの原因になることも少なくありません。
その一番の原因は「夜中の騒音問題」です。特に、早朝や深夜の電動シャッター音で近隣迷惑になってしまうことがあります。
では、具体的にはどのようなことでしょうか?原因と解決法について詳しく解説します。
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原因はズバリ早朝深夜の開閉音
最新の電動シャッターは正常開閉時に、25〜45デシベル(dB)程度の音を発します。手動シャッターが70〜80デシベル(dB)なので、それと比べるとかなり静音と言えます。
しかし、早朝に出かける際や深夜に帰宅した際などにご近所のことを考えずにガレージシャッターを開閉してしまうと、ご近所トラブルにつながります。特に、閑静な住宅地や都市部の住宅密集地では注意が必要です。
また、窓を開けたまま寝る人が多い夏場も気をつけましょう。日中は車の走行音などでかき消されるシャッター音やモーター音も、早朝深夜の静まった時間帯には、うるさいと感じる方も多くいるのです。
電動シャッターに不具合があると、最新の静音仕様タイプであっても大きな異音を発してしまいます。
日中に試験運転してみて、どのくらいのシャッター音がするか事前に確認しておくこともおすすめです。
シャッター音の解決法は?
一番シンプルな解決方法は、早朝深夜には電動シャッッターを開閉しないということです。
朝6時以前と夜9時以降の開閉は避けたほうが無難です。
環境庁の告示では、騒音環境基準値を昼間(朝6〜夜10時)は55デシベル以下、夜間(夜10〜朝6時)は45デシベル以下と定めています。45デシベルとは、エアコン室外機の稼動音と同等の音です。
「大した音じゃないでしょ」と感じられるかもしれませんが、小さなモーター音でも人によっては「聴覚過敏」という病気を発症してしまい、ひどい場合には耳鳴りを伴うこともあります。
45 デシベル以下の場合でも、極力夜中は音を立てないようにするのが賢明です。
日中は、他の音にかき消されてシャッター音は気になりませんが、周辺の生活音が少なくなる時間帯は、シャッターの使用を避けましょう。最低でも夜間(夜10〜朝6時)は、極力電動シャッターを開閉しないよう心がける必要があります。
どうしても夜中に開ける必要があれば、早い時間から開けっ放しにしておきましょう。
ただし、近隣環境やご近所の方の生活リズムによって、迷惑をかけてしまう時間帯が異なりますので、極端に早い時間や遅い時間にシャッターを開閉しなくてはいけない場合には、事前にご近所に報告しておくか、迷惑でない時間帯を確認しておくことをおすすめします。
この少しの心遣いだけで、ご近所トラブルを防げます。
早朝深夜の開閉音以外にもこんな原因が!気をつけたい電動シャッターの騒音
電動シャッターの騒音は、早朝深夜の開閉音だけではありません。
それ以外にも、ご近所トラブルにつながりかねない騒音があります。それらの原因や対策方法について詳しく説明します。
強風時の騒音
台風など強風が吹き荒れている時に、スラットと呼ばれるシャッターのパネル部分が揺さぶられてガタガタと大きな音を立ててしまうことがあります。
こちらは不可抗力であるものの、特に夜中には近隣への騒音になります。特に、ビル風が吹く立地の場合や、「六甲おろし」や「赤城おろし」などの卓越風と呼ばれる季節風や地域風を受けやすい立地のお宅では対策が必要です。
気象庁ホームページから卓越風のデータを閲覧できますので、気になる方は事前にチェックしておきましょう。
また、この風による騒音はスラット面積が大きいシャッターでよく起こる現象です。幅の広いガレージシャッターなどの場合は、事前にメーカーへ対策方法を相談しておく必要があります。
強風時の騒音の解決方法は?
強風が吹いている時だけガタガタと音がする場合には、シャッター両端にあるレールの隙間にパッキンやプラ段ボールを一時的に挟み込んでみてください。
また、座板の下端にクッション材を付けるのも効果的です。そうすることで、シャッターの揺れがおさまって音がしなくなります。
シャッターのきしみ音・異音
電動シャッターを使うたびに、キーキーと金属が擦れる音や、ギシギシというきしみ音がしてしまう場合があります。
これは、通常時の運転音よりもさらに不快なので、ご近所の方にとって耳障りになってしまいます。特に、次の部位が故障すると、大きな騒音が出ます。
- スラット(シャッターのパネル部分)
- 巻き取りシャフト(上部についているスラットを巻き取る芯棒)
- ガイドレール(スラットが差し込んである両側のレール)
例えば、スラットが湾曲したり極端に折れ曲がってしまったりすると、開ける際にガイドレール内で擦れて、大きな金属音を出します。
また、ガイドレール事態が歪んでも大きな不快音がします。シャフトに何らかの故障がある場合には、通常は聞こえない機械音を発します。
このように、主要部位に故障が生じると、ほとんどのケースで騒音が発生し、ご近所トラブルになります。
新築住宅の場合でも、普段使っている時にはしない音を聞いたら、早めにメンテナンス業者へ連絡しましょう。
シャッターのきしみ音・異音解決法は?
特に目立った故障がなくても、経年劣化でサビがついたり老朽化したりすると異音を発します。
気づかないうちにシャッターが痛んで騒音となってしまうので、定期的に開閉試験をして異音がしていないか確認しましょう。
部位によっては、部分的な部品交換で騒音が解消される場合もあります。電動シャッターの寿命は平均10年程度なので、一戸建て住宅の場合には電動シャッター設置から10年ほど経ったら、業者へ交換について相談してみましょう。
故障や老朽化以外にも、日頃のメンテナンスを怠るとより運転音は大きくなります。
ガイドレールにゴミやホコリが溜まってしまうと、スラットが正常に巻きあがらずに異音がします。
また、ガイドレール内でスラットの滑りが悪いと同じ現象が起きます。
最低でも年に一度程度はガイドレール内に大きなゴミが溜まっていないか確認し、スプレーグリスを吹き付けましょう。また、スラットとスラットの間のゴミや汚れも取り除く必要があります。
シャッターケース内(巻き取りシャフトが収まっている上部のボックス)から大きな異音がする場合には、一度リセットしてみましょう。
リセットしても改善されない場合には、故障している可能性が高いです。
夜中の電動シャッター音は日頃の心がけで防げます!
夜中に気になる電動シャッター音について、詳しく解説してきました。
開閉する時間帯を気にかけて、日頃のメンテナンスをしっかりすることで、ご近所トラブルにつながるようなことがなくなります。
また、異音にすぐ気付くことで、大きな故障も防げます。ガレージシャッターなどは室内の設備機器よりも異変に気付きにくい場所ですが、夜中の騒音問題を起こさないよう、定期的にチェックしましょう。
できる限りの対策を心がけて、近隣の方と事前にしっかりと話し合っておくことも大切です。便利な電動シャッターを気持ちよく使えるように、ぜひ今回紹介した内容を理解しておきましょう。