シャッターの構造が分かれば自分で修理可能!?各部名称と仕組みを解説

手動シャッター

「ガレージ手動シャッターの開け閉めが重くなってきた」そんな悩みを抱えている方は多いでしょう。

でも、定期的にメンテナンス業者を呼ぶと、ランニングコストがかさんでしまいます。コストを抑えたい方は、ぜひご自分でメンテナンスや修理をしてみましょう!

そのためには、手動シャッターの構造をきちんと理解しておくことが重要です。

そこで、一般的な手動シャッターの構造や各部位の役割について、詳しく解説してきます。

複雑そうに見えるシャッターも、仕組みが分かってしまえばDIY修理はそれほど大変ではありません。

ぜひ、定期メンテナンスや簡単な修理はご自分でチャレンジしてみましょう。

まずは知っておきたい!一般的な手動シャッターの部材名称

シャッター構成部材の名称

出典:http://www.towa-shutter.jp/yougo.html

それぞれの部材にはどんな役割があるの?

シャッターをバラした写真

出典:https://aucfree.com/items/n334555615

手動シャッターの仕組みは意外とシンプルで、シャッター上部のボックスに収まっている大きなスプリングの力でシャッターを巻き上げます。

そのため、電力は不要で停電時にも開閉できるというメリットがあります。

また、軽量なのでお子さんなどの挟まり事故は起きません。では、手動シャッターにある主要部材の役割について解説します。

スラット

シャッターのスラット部分

出典:http://gardenroom.jp/shutter/item/001293_97

スラットは、実際上下するパネル部分のことです。
細長い部材を一枚ずつ横からスライドして噛み合わせ、連結して大きなパネルを形成しています。連結されたスラットはシャッターカーテンとも呼ばれます。
シャッターケースにコンパクトに収めるため蛇腹状の構造を持っています。

手動シャッターの場合は、中間に手掛けスラットと呼ばれる取手付きのスラットを入れます。こちらを持ってシャッターを持ち上げて開けます。また、オプションで明かり取り窓やポスト口の付いているスラットを組み込めば、お好みに合わせてカスタマイズ可能です。

基本的に外気に一番さらされるので腐食のしやすい部分ですが、シャッタースラットの材質自体は色々な種類が販売されています。材質はスチールがメインですが、設置場所の環境に合わせて選択しても良いと思います。

手掛けスラットの写真

出典:https://e-ij.com/blog/12699

スラットが傷ついたり歪んだりした場合には部分的な取り替えができますが、基本的には業者でないと修理できません。
※手掛けスラットは、スラットに予め穴があけられており、樹脂や金属などで作られた取っ手がはめ込まれています。

経年劣化や腐食などにより取れる場合があるようですが、スラットはそのままに取っ手部分を交換する対処方法になります。

シャッターの寿命が気になる方は、以下の記事もどうぞ
シャッターの耐用年数は7〜15年|修繕費や固定資産税の考え方、寿命を伸ばす方法まで徹底解説

内外錠

シャッターの内外錠の写真

出典:https://www.eiwa-shutter.com/blog/archives/6909

手動シャッターでは、スラット中間付近にシリンダー錠付きのスラットがあります。鍵が付いているスラットは「めくらスラット」とも呼ばれます。

外部から鍵を差し込んで回すと室内側でラッチが広がって、ガイドレール内でストッパーが効く仕組みになっています。

殆どの手動シャッターは、屋内側は、鍵がなくても開錠施錠が出来ますが、屋外側は、鍵がなければ開錠施錠はできません。また、鍵穴は鉄で錆びやすい材質の為、経年で錆で使えなくなる場合もありますので、錆の進行状態を確認しておく必要はあります。

水切り(座板)

シャッタースラットの水切りの写真

出典:http://blog.mushi-taiji.com/archives/52066468.html

スラットの最下部についている断面がT字のパーツです。水切りとも呼ばれます。
外部から侵入する水を塞き止める役目もあるため丈夫な部材を用いておりますが、閉めている時には常に地面に接触しています。そのため、摩耗が他のスラットよりも早いです。

水切り(座板)はシャッターの構造上、雨や泥などが付着しやすく錆びやすい状態です。年数が経ち水切りが錆びてしまった場合には、部分的な取り替えが可能ですが、スラットを全て外さなくてはならないため、DIYでの取り替えは困難です。

長期間使用する為には、定期的に汚れをふき取る事が必要です。

使用回数を重ねた水切りの写真

出典:https://www.m-neko.com/handrail/shutter-repair/

錆により腐食した水切りの写真

出典:https://www.m-neko.com/handrail/shutter-repair/

年数が経ち水切りが錆びてしまった場合には、部分的な取り替えが可能ですが、スラットを全て外さなくてはならないため、DIYでの取り替えは困難です。

中柱

二連シャッターの中柱の写真

出典:https://www.pro-tech-shutter.com/%E6%96%BD%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B/

開口部が広く、2連シャッター(シャッターカーテン2枚)の中間部分のガイドレールとして用いられている柱の事です。この柱は取り外しが可能で、広い開口部が必要な店舗に使われている事が多いです。

手動シャッターはスプリングの力で巻き上がるため、あまり大きな間口のタイプは作れない為、2台分ガレージなどの場合には、真ん中に柱を立ててスラットを二分割されているのがほとんどです。

つぼかねの写真

出典:https://www.bunka-saitama.co.jp/onlineshop/000330002.html#

中柱が固定されるためには、地面に受け皿(つぼがね)を埋め込む必要があります。そこに差し込んで固定されます。シャッターを開けた後に外し、シャッターを閉める前にまた設置します。

ガイドレール

シャッターのガイドレールの写真

出典:https://www.bunka-gwss.jp/case/garagess/senu/20120528027.html

スラットの左右に立っているレールのことです。ガイドレールにスラットの両端を差し込むことで固定しています。開閉時にシャッターのスラットがずれないようにサポートする機能があります。

シャッタースラットとガイドレールの写真

出典:https://www.polus.co.jp/customercenter/support/support2_2.php

このガイドレールは目視できる場合と壁に埋め込まれている場合がありますが、どちらも不具合が生じてもガイドレールのみの取り替えはできない重要な部位です。

このガイドレールは目視できる場合と壁に埋め込まれている場合がありますが、壁に埋め込まれている場合は、不具合が生じても、基本はガイドレールのみの取り替えはできない重要な部位です。

シャッタースラットとガイドレールに注油している写真

出典:https://www.polus.co.jp/customercenter/support/support2_2.php

シャッタースラットとガイドレールの写真

出典:https://www.bunka-proteck.jp/product/parts08/S005/

シャッターの開閉時に金属音がする場合は、ガイドレール内に消音パッキンやブラシを取り付けたり注油したりすることで改善できます。

また、レール内のゴミを取り除くだけで、開閉がスムーズになることもあります。注油は、レールにCRCスプレー(クレ556など)を吹きかけることで改善出来ますが、レールが金属ではなく樹脂の場合は不具合の原因になるため注油しないでください。

シャッターケース

シャッターケースの写真

出典:http://gardenroom.jp/shutter/item/001293_97

シャッター上部にあるボックス上の部分です。室内外に露出している場合と、天井に埋め込まれている場合があります。この中にある部材が手動シャッターを開閉する際に重要な役割を果たします。

シャッターが全開状態の時は、シャッターケース内に巻き取られたスラットが全て収納される構造です。内部には、巻き取りシャフトやスプリング、プーリーとスラットを引っ張る吊元などが含まれます。

シャッターケースは、見栄えを気にしない場合は、室内外に露出させて設置させるのをオススメします。天井に埋め込んで設置すれば見栄えはスッキリしますが、天井に穴を開けたり、シャッターシャフト周辺の空間の確保が必要なため制約があります。また、メンテナンスや修理の際は割高になる可能性があります。

スプリング(バネ)

巻き取りシャフト周辺にあるスプリングの写真

出典:https://e-ij.com/blog/12238

スプリング(バネ)は、シャッターを上げるときに重たいスラットを持ち上げる役割があります。手動シャッターは開ける時に下から少し押し上げるだけで、自動的に上がっていきます。これは、スプリングの力が働いているからです。

スプリングは、常時テンションが掛かっておりシャッターを持ち上げる方向に常に力を
かけています。その為、重たいスラットを人の力で上げられることができます。

また、長年使っていると、スプリングが伸びてきてしまい自動的に上がる力が
弱くなってきてしまいます。

シャッター周辺のスプリングの写真

出典:https://shutter-center.co.jp/examples/

その場合は、スプリングの交換が必要です。
注油やガイドレールの清掃を行ってもシャッターの重さが改善されない場合は、
シャッター業者にスプリングの交換を依頼してみてください。

また、シャッタースプリングは安易に触ると大変危険ですので、触らないようにしてください。

シャフト(巻き取りシャフト)

シャッターの巻き取りシャフトの写真

出典:https://e-ij.com/blog/13438

シャッターを巻き取る軸のことです。スプリングの中央に差し込まれています。
シャフト自体に不具合が起きることが少ないですが、スプリングが正常に働かなくなった場合にはセットで交換が必要になります。

シャッターシャフトそのものは、固定されておりシャッターを上下に動かしても動きません。その代わり、周辺にあるプーリーが回転し、吊元を引っ張ってシャッタースラットを巻き取ります。

手動シャッターを電動化するキットが販売されていますが、このシャフトにモーターを取り付けてプーリーを回転させるシンプルな機構になっています。

電動化するキットは以下をご確認ください。
手動シャッターを【たった5万円】で電動化する方法とは?

ブラケット(サイドブラケット)

シャッターの巻き取りシャフトの端部にあるブラケットの写真

出典:https://blog-imgs-36-origin.fc2.com/y/s/t/ystkougyo/bur1.jpg

シャッターケースを正常に支えるための重要なパーツで、ケース両脇についているパネル部分を指します。内側にシャフトを受けるための軸受けと呼ばれる金具が付いています。

シャッタースラットとブラケット間の距離は狭いため、スラットが傾いた状態で使用するとブラケットの受け面に接触し、摩擦によりシャッターが動かなくなったり、ひどい場合は受け面に傷が付き続けることによる故障のリスクがあります。

シャッターが傾いたことによる引きずりが気になる場合は、シャッター業者に早めに連絡して直して貰いましょう。

シャッターのブラケットについている軸受けの写真

出典:https://obata-shutter.co.jp/repair/repair-manual/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E8%A3%9C%E5%BC%B7/

吊元

シャッターの巻き取りシャフト周辺にある吊元の写真

出典:https://shutter-pro.info/archives/734

スラットとスプリングの接続部分で、後々メンテナンスができるように噛み合わさって接続されています。経年劣化と共にこの噛み合わせが緩くなると、スラットが外れてしまいます。

吊元は、バイクガレージなど小型なものでは左右に1つずつの計2つ付いています。また、幅が広いシャッターは、中央に1つと、左右に1つずつ計3つ付いています。

プーリー

シャッターのプーリーの写真

スプリングの両脇にある円盤状の部材です。
このパーツでスプリングを吊元に固定しており、シャッター上下時に、吊元は回転します。

マグサ

シャッターのマグサの写真

出典:http://kindshutter.blog104.fc2.com/blog-entry-98.html

シャッターケースの下端に付いているフレーム状の部材です。

この間をスラットが通り、シャッターケースの形状を保つための骨組みとしての役割も持ちます。屋外側にあるマグサを「外マグサ」、室内側を「内マグサ」ともいわれます。

DIY修理はまず仕組みを理解することが大事!

思考吹き出しと豆電球

手動シャッターの構造は分かってしまえば決して複雑ではありません。

仕組みを理解することで、どこに不具合があるのか判断できるようになりますし、どうしても業者を呼ばなくてはいけない際も、会話がスムーズにできます。

日頃使っていて、キーキーとした金属音がする場合には、DIYでメンテナンスできるケースが多いです。また、ガイドレール内のゴミを取り除くだけで、開閉がスムーズになる場合もあります。

使っていて違和感を感じたら、業者を呼ぶ前にまずはご自分で修理してみましょう!