近年、戸建住宅のガレージシャッターなどは手動よりも電動が主流になってきています。
ボタン一つで開閉できてとても便利ですが、日頃のお掃除などのメンテナンスを怠ってしまうと、不具合や故障の原因になってしまいます。
電動シャッターというと、掃除やメンテナスは、業者に頼んだ方が良いと思っている方もいますが、簡単に自分でできるんですよ。
また、この記事では電動シャッターの掃除をしなければいけない理由や、具体的な掃除方法を解説します。
電動シャッターが故障してからでは、直すのに時間もお金もかかります。日頃のお手入れは、ぜひご自分でチャレンジしてみましょう!
電動シャッターはどうして掃除が必要なの?頻度は?
そもそも、どうして電動シャッターは掃除をしなくてはいけないのでしょうか?それは、汚れやホコリが定着することで、不具合を起こす可能性が高くなるからです。
長期間シャッタースラットの表面やガイドレール内の汚れを放置してしまうと、シャッターのシミや腐食につながってしまいます。
基本的には、年に1〜2回程度の掃除で十分ですが、塩害が起こりやすい海岸地帯や、排気ガスの影響を受けやすい幹線道路近くにお宅がある場合には、さらにこまめに掃除しなくてはいけません。
ゴミや汚れの付着により、シャッターがスムーズに動かなくなって開閉音が大きくなるので、ご近所対策のためにも定期的な清掃は必要です。
電動シャッターの具体的な掃除方法は?
電動シャッターを掃除する重要性は分かりましたか?
故障や不具合を未然に防ぐためにも、電動シャッターの定期的な清掃は必要です。では、具体的にはどのように掃除をすればいいのでしょうか?室外側と室内側で方法が異なりますので、それぞれ詳しく解説します。
電動シャッターの掃除方法 〜室外側〜
まずは、汚れがつきやすいシャッターの室外側の掃除方法から紹介します。
① シャッターをしっかりと閉めましょう。
② 外部から水を染み込ませたスポンジで、スラット全体についているホコリを落とします。水洗いでは落ちない場合には、ぬるま湯で薄めた中性洗剤を使いましょう。また、初期のサビなどを見つけた場合には、シャッター・アルミサッシ専用の洗浄スプレーを使うと発生したばかりの小さいサビは落とせます。
③ 水を染み込ませたスポンジでスラット間の隙間に入ったホコリを拭き取ります。
④ 乾いた雑巾で全体的に水気をしっかりと拭き取ります。
⑤ スラット間の隙間やガイドレール内側にシリコンスプレー吹きます。そうすることで開閉がスムーズになります。
ただし、この作業は既に開閉がスムーズでない場合や、開閉時に異音がする場合のみでいいです。まだ新しいシャッターや、正常に稼働しているシャッターにシリコンスプレーなどを吹いてしまうと、逆に動きが悪くなる可能性もあります。
⑥ スラットがしっかりと乾いたのを確認してから全開し、両側のガイドレール内にあるゴミやホコリをブラシなどで取り除きましょう。その際には、サッシブラシを使うと簡単です。
電動シャッターのお掃除方法 〜室内側〜
では、ガレージ内など室内側はどのように掃除すればいいでしょうか?室外側ほど大変ではないので、安心してください。
まずはシャッターを閉めて、スラットの表面についたホコリをホコリ取りで落とします。基本的には水洗いは不要ですが、どうしてもしつこい汚れがある場合には、部分的にスポンジを使って汚れを取り、その後水気をしっかり拭き取りましょう。
電動シャッターの掃除で気をつけなくてはいけないポイントは?
電動シャッターの掃除はそれほど大変ではありませんが、気をつけなくてはいけないポイントがあります。
これらのポイントを無視してしまうと、せっかく掃除しても故障したり寿命が短くなってしまったりします。電動シャッターの掃除をご自分でする場合には、必ず注意点を理解してから作業に取り掛かりましょう!
使ってはいけない洗剤や掃除道具はコレ!
一般的なシャッターのスラットやガイドレール には、車と同じような焼付け塗装が施されています。
シンナーなどの有機溶剤や、酸性・アルカリ性の洗剤を使ってしまうと、塗膜が溶けたり変色したりしてしまうことがあります。
また、クレンザーや金たわし、ワイヤーブラシなど汚れを削り取るような洗剤や道具を使うと、塗膜に傷がついてそこからサビが発生してしまいます。
水洗いは高圧洗浄機が使える?
大きなシャッターの場合には、効率良く高圧洗浄機でスラットを洗いたくなってしまいますが、電動シャッターの場合は、万が一シャッターボックス内部に水が侵入すると故障してしまうので、あまりおすすめできません。
また、注意して慎重に高圧洗浄機を使っても、ガイドレールに多量の水が入り込んでしまいます。ガイドレール内の水気は拭き取れないので、サビの原因になってしまいます。
どうしても使いたい場合には、ビニールをテープで止めるなどしっかりと養生してから使いましょう。
日頃の掃除以外にこんな時にも掃除が必要!
先ほど、年に1〜2回程度の掃除でいいとお話しましたが、例外があります。台風や強風のあとは、スラットの隙間にチリや砂が入り込んでしまいます。
そのままの状態で開閉すると、スラットが傷ついてサビや故障、異音の原因になります。台風や強風の後には、一度掃除をしてから開閉するように心がけましょう。
オイル?グリース?シリコン?シャッターのお手入れにはどのスプレーがいい?
電動シャッターの各メーカーの取扱説明書を見ると、メンテナンスの際に色々なスプレーを使うように勧められています。
でも、それぞれのスプレーには異なる特性があり、適材適所で使い分けなくてはいけません。それぞれの特性やシャッターのお手入れに使うとどうなるかを詳しく解説します。
オイルスプレー
浸透させて、動きを潤滑にする目的があります。きつく締まっているボルトを緩める時などに活躍します。では、シャッターに吹き付けるとどうなるのでしょうか?
残念ながら、動きが悪いシャッターに吹き付けてしまうと、吹き付けた直後は動きがスムーズになるものの、その後は余計動きにくくなってしまいます。
浸透性がある性質があるため、表面のオイルはすぐになくなってしまうからです。同様の理由で、錆止めの効果も長くありません。
グリーススプレー
粘着性の高い潤滑油スプレーです。ベタベタとまとわり付くので、強い負荷がかかる箇所でも長く留まります。
可動部の動きを局部的にスムーズにすることに特化しているので、ドアの蝶番のメンテナンスなどに適しています。
では、シャッターに吹き付けるとどうなるでしょうか?スラットの継ぎ目やガイドラインに吹き付けてしまうと、粘着性により滑りが悪くなり、ホコリやゴミがくっついて固まって、故障の原因になります。
シャッターシャフトのメンテナンスなどに使うことはありますが、吹き付ける量の調整が難しいので、日頃のお手入れに使うのはおすすめしません。
シリコンスプレー
表面に薄いシリコン皮膜を形成することで、滑りをよくするスプレーです。吹き付けると皮膜によって表面がツルツルになるので、滑りを良くしたいスラットの継ぎ目やガイドレールのメンテナンスに使いましょう。
ただし、機械などに吹き付けるとシリコンが詰まって故障してしまうので、シャッターボックス内部への使用は止めましょう!
シリコンスプレーは扱いやすく、臭いも強くないため、電動シャッターのメンテナンスにおすすめです。
電動シャッターの掃除は自分でやればお金がかからない!
電動シャッターの掃除をすることの必要性や、掃除方法、適切な掃除道具について紹介してきました。
電動シャッターの掃除メンテナンスを業者に依頼すると、コストがかかってしまいます。決して難しい作業はありませんので、ぜひご自分でチャレンジしてみましょう!
定期的に清掃することで、シャッターの寿命も延び、ご近所トラブルになりがちな音も抑えられます。ぜひ試してみてください。