シャッター塗装を自分でDIYする方法と手順|業者依頼との料金比較も

塗装

シャッターは、塗膜が剥がれていたり、サビが目立ってくると見た目がとても悪くなります。

思い切ってシャッターの塗装をしようと思った時、何からはじめたら良いのか迷いませんか?

この記事では、

  1. シャッターの塗装をすべきタイミング
  2. シャッターの塗装の前に知っておくこと
  3. 自分でやるべきか、業者にやってもらうべきかの判断
  4. シャッター塗装を自分でDIYする手順
  5. シャッター塗装を自分でするなら、成功に近づける6つのポイント

という順序でお伝えしていきます。

順番に見るだけでシャッター塗装をまるっと知ることになるので、是非ご覧くださいね。

シャッターの塗装をすべきサイン

まず、シャッターはどんな状態になっていたら、塗装を検討すべきなのでしょうか?

一般的な塗装の目安は10年前後と言われています。実際にあなたの家のシャッターがどのような状態なのかによって、塗装を行なう必要性があるかどうかがわかります。

チェックしていきましょう。

チョーキング現象が起こっている(白い粉をふいている)

シャッターの表面に白い粉のようなものがふいていることがありませんか?

シャッターにもたれかかったら、服が真っ白になったなど、そういった状態はシャッターの塗料に含まれる「顔料」が劣化して粉状になったものです。

出典:https://nuribe.jp/kusakabe_blog/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%A1%97%E8%A3%85/

 

こういう現象を「チョーキング現象」や「白亜化現象」と言い、劣化のサインになります。

見た目だけではなく、実際に手や服に粉が付くので、この症状がではじめたら塗装を検討してみても良いでしょう。

塗膜が剥がれている

見た目にわかりやすいんですが、塗膜の剥がれが起こっているケースです。

出典:https://www.y-t-k.net/archives/1073

 

頻繁にシャッターを開閉している場合は早めに起こります。塗膜の剥がれがないか確認してみてください。

錆びが発生している

塗膜の剥がれをそのままにしておくと、そこから錆が発生しやすくなります。

最初は少しの錆びであっても、どんどん全体に広がり、腐食が進みます。ひどくなると、シャッターのスラット部分に穴があいたりしますので、塗装どころか、シャッターを取り替えしなければならないケースもあります。

サビが全体に広がる前に早めの対策を心がけましょう。

シャッターの塗装前に知っておこう

前提知識としてシャッターを塗装する前に知っておきたいポイントが4つあります。

その上で、ご自身で塗装するのか業者に依頼するのかを判断していきましょう。

シャッターの塗装は剥がれやすい

そもそもシャッターの塗装というのは剥がれやすいということを理解しておく必要があります。

これは素人がやってもプロがやっても同じです。下手をすると1~3年で剥離するのも珍しくはありません。

原理を考えればわかるのですが、シャッターは頻繁に開け閉めを繰り返しますので、衝撃や振動などでも剥離しやすく、シャッター自体も伸縮しやすいような構造になっているので尚更です。

また、屋外に設置してあることから、雨、風などの影響も受けやすいです。

こういった塗装が剥がれやすい要素や条件が重なっていることから、通常の外壁の塗装よりも剥がれやすくなっています。

アルミ製のシャッターは塗装が難しい

シャッターは通常、スチール製のものとアルミ製のものとがあります。そのうち、アルミ製のシャッターは塗装に向いていません。

アルミの性質として、アルミは防汚性にすぐれていて、汚れにくく、塗料も付着しにくいです。

そのため、アルミの塗装は素人では難易度が非常に高いです。

どうしてもアルミのシャッターに塗装したい場合、下処理として、アルミの表面を荒らすケレンという作業をする必要があります。こうすることによって、塗料を定着させます。

塗装を行おうとするシャッターがアルミか、スチールなのかは事前にチェックしておきましょう。

塗装によって故障になる可能性も

シャッターの塗装をすると、シャッターの巻き取りができなくなってしまうというトラブルが起こる場合があります。

特に素人が行うハケ塗りの場合は塗料の厚塗りに繋がってしまい、巻き取りのシャフトに収納できなかったり、塗料が乾いてないのに巻き上げて、シャッターが下りないといったトラブルもあります。

またシャッターの塗料についても注意が必要です。塗料はウレタンで金属OKのものを使用しないとトラブルの原因になります。

特に電動シャッターの場合は、モーターに負担がかかり、最悪、交換しないといけないといったトラブルになるケースもあるので注意が必要です。

サビが酷い場合は交換対応

サビの量が許容範囲を超えている場合などは、塗装では補いきれないケースがあります。

一般的にシャッターの錆び取りといったことを業者に依頼するにしても、5~20万程度の価格差がありますし、40万円といった請求をされるようなケースもあるわけです。

これだけ費用がかかるとなると、塗装よりも、スラットを新品に替えた方が安く上がります。

また、サビが広範囲にあると、凸凹面が多くなり、開け閉めに支障が出ます。基本的には錆びが発生する前にメンテナスをするべきです。

シャッターの塗装は自分がやるべき?業者に依頼するべき?

結局シャッターの塗装は自分がやった方がいいのか、業者にやってもらった方が良いのか、それぞれのメリットとデメリットを書いてみました。

メリット

業者依頼
  • 仕上がりが綺麗
  • シャッターの開閉がスムーズになる
自分でDIY
  • 安価

やはり自分でやると良い点は安価に済むという点です。(塗料や道具次第ではそこまでお得でもないが・・・)

対して、業者に依頼した場合、さび落としから丁寧にやってくれるためにシャッターの動きがスムーズになり、仕上がりも綺麗です。特にスプレーガンで塗装した場合は仕上がりが均一になりプロならではの出来栄えになります。

デメリット

業者依頼
  • 費用が高い
  • 業者選びに失敗するケースがある
自分でDIY
  • 故障のリスクが伴う
  • 仕上がりのクオリティが低い
  • 準備が大変

デメリット面としてはやはり費用が高くなります。ただし、自分でDIYする場合でも最初はあれこれと道具や下準備などする必要があるので、すべてを考慮して考えた場合、一概に言えないケースもあります。

また、自分でDIYした場合、シャッターの開閉がぎこちなくなったりすることもあり、多少のリスクは伴います。しかし、業者に依頼する場合は、いかに良い業者に依頼できるかという問題はありますね。

業者と自分で塗った場合の費用比較

自分で塗装をする場合の全費用 業者に依頼した際の全費用
30,000円まで/15㎡の場合 30,000~50,000円/15㎡の場合

一般的に外壁塗装と比べてシャッターの塗装の方が塗装単価は安いです。

1㎡あたり2000円前後が一般的です。この費用の中には下準備やさび取りの工程も含まれますので、15㎡(やや大き目)のシャッターであれば5万円~ ぐらいが妥当な金額です。

一方、自分で塗ると考えた場合はシャッターの塗料の量は1㎡あたり0.13~0.16kg程度必要になります。下塗り1回分と中塗り・上塗りの2回分必要になりますので、15㎡のシャッターであれば6kg程度(下塗り2kg、中・上塗り4kg)と希釈するのにシンナーが必要になりますので、15,000円前後になります。

これに、一から道具や必要なものを揃えると塗料以外に1万円程度の費用がかかります。

あとは、自分がDIYするので、それなりの労力が必要といった感じになりますね。当然、仕上がりのクオリティは素人と言えども、異なってきますので、総合的な判断になります。

すでに持っている道具などがある場合は出費を軽減できそうですが、意外と自分でDIYしても、業者に依頼するのと比べて、費用的にそこまでお得という感じにはならなそうです。

シャッター塗装をDIYでする場合の手順

ここではシャッター塗装を自分でチャレンジしてみたいという人に塗装するための手順を解説していきます。

シャッターの故障リスクがあると書きましたが、しっかりポイントを抑えてやっていけば、シャッター塗装はそこまで難しくはありません。

また、一通り道具を揃えてしまえば、次回のシャッター塗装をするときには一から道具を買い揃えなくて良いので、よりリーズナブルになりますよ。

準備するもの

こちらで紹介したものをすべて揃えるとなるとおおよそ3万円程度の出費になります。

脚立

脚立は足場付きのものが作業が捗ります。

軍手

マジックロン

マジックロンは錆びを落とすのに最適です。

硬さの種類があるので、若干硬めの#100〜#180のものが錆を落とすにはちょうど良いです。

サンドペーパー

マジックロンでとり切れないサビ落としに使います。サビだけではなく塗装面も平らにしてくれます。

サンドペーパーは粗さがいろいろありますが、シャッター塗装の場合であれば#120程度がべストです。細かすぎてもさび落としには不向きです。

サンドペーパーはそれなりに使用することになるので、5~10枚程度用意しておきましょう。

スクレーパー

サビや剥げてきている塗料を綺麗に除去するのに便利です。

マスキングテープ(養生テープ)

塗料がつかないようにするテープです。鍵穴にも貼っておきます。

ほうき

サビ取りの後にシャッターのホコリを掃除するほうき

ブルーシート

シャッター付近の地面にひく

ローラー

バケツとセットのものが使いやすいです。

ハケ

ローラーで塗れない隙間や可動部分に使用。

ハケは目地用のハケと、40mm程度の大き目のハケと2種類程度あると便利です。

転換剤

あると非常に便利なものが転換剤です。

転換剤とは錆をの進行を止めて保護します。進行中のサビは赤錆ですが、黒錆に転換されます。黒錆は錆びてない状態なので、鉄に戻ったということになります。

これを錆止め塗料を塗る前に錆部分に塗布しておくと、サビの進行が遅れ丈夫なシャッターになります。

塗料

サビ止め入り下塗り塗料

錆止め塗料は「ニッペ 1液ハイポンファインデクロ ホワイト」。

錆止め効果も強くプロも使用します。

色が赤、黒、白とありますので、シャッターの下地として使うので白が無難です。

通常のシャッターであれば4キロ缶で問題ないです。

塗料シンナー

塗料を希釈するために必要です。

錆止め塗料も、上塗り塗料も粘性が高いので、シンナーで希釈します。

ただし、あまり薄め過ぎないように注意が必要です。量は4L程度で十分です。

上塗り塗料

「ニッペ 1液ファインウレタン 艶あり」。

塗装のプロも使うウレタン塗料です。

ここで紹介した道具をすべて買うと・・・

脚立 6562円
軍手 441円
マジックロン 868円
サンドペーパー 1010円
スクレーパー 329円
マスキングテープ 85円
ほうき 1299円
ブルーシート 363円
ローラー 1280円
刷毛 535円
転換剤 2090円
錆止め塗料 4100円
シンナー 3570円
上塗塗料 7392円

合計で29,861円になりました。ただし、すでに家にあるようなものも含まれているので、もう少し圧縮はできそうです。

作業手順

シャッターの塗装工程は以下のような流れです。

順番 工程 内容
ケレン(下地処理) ワイヤーブラシやサンドペーパなどの道具で塗膜やさびを綺麗にします。
掃除(洗浄) ホコリや汚れをほうきや雑巾で落とします。(水で洗い流す場合は乾くまで3日ほど待つ必要があります。)
養生 塗装をしない枠や地面に塗料がつかないように養生します。
下塗り 下塗りをします。
中塗り・上塗り 下塗りが乾燥した後に中塗り、上塗りをします。
養生はがし 塗料が乾燥した後にはがす

それでは詳しく順序を解説してきます。

①さび落としをしていく

出典:https://car-e.net/diy/syatta.php

シャッターのサビや塗膜の剥がれを綺麗にしていきます。この作業をケレンと言います。

最初はマジックロン(#100〜#180)でさび落とししていくと良いです。

マジックロンでシャッター表面を落としていくと、細かな傷をつけることになるので、塗料がより接着します。

この時、取りにくいさびや塗膜はスクレーパーを使うと便利です。

仕上げにサンドペーパー#180でよりきれいにサビを落としていきます。

マジックロンだけでもきれいになりますが、酷いサビにはサンドペーパーが便利です。

この工程をしっかり手間をかけて行うことが、塗装の仕上げに直結していきますので、非常に重要な作業になります。

②汚れを落とす

さび落としをした後に、ほうきや雑巾などでゴミを落としていきます。

出典:https://yourmystar.jp/c0_1/c1_41/articles/shutter-cleaning/

サビ落としの作業後に、どうしてもシャッターの汚れが(コケやカビなど)目立つ場合はブラシなどを使って水洗いをしても良いですが、その場合は完全に乾くまで待つ必要があります。

特に、シャッターの隙間は水が切れないので、濡らしてしまった場合は3日ほど待つ必要がでてきます。

水で洗う場合は事前に計画しておく必要があります。

③養生をする

出典:https://www.my-painter.com/blog/20181226-2/

洗浄後に乾燥した状態で、養生していきます。枠にはマスキングテープ。地面にはブルーシートなどで塗装がつかないようにします。

④下塗りをする

3回塗装するうちの一回目の塗装をします。中塗り・上塗りとは目的が異なり、次の中塗りとの密着度を高める目的と、金属製の部分の錆びの発生を防ぐために錆止め防止処理として、錆止め効果のある塗料を塗ります。

シャッターの合わせ目の隙間をハケで塗り、その後に表面をローラーで塗っていきます。

この時の塗り方としては、だいたい5つのスラットごとに進めていくとハケ目がなくなり綺麗にしあげられます。

つまり、5つのスラットの隙間を塗って、その後、5つのスラットの表面をローラーで塗る。それが終わったら、次の段の5つのスラットを塗っていくという流れです。

またさび止めを塗ったら1日以上あけます。特にシャッターの合わせ目は乾きにくいです。

夏場であれば1日が目安。気温の低い冬場であれば2~3日あける費用があります。

完全に乾いてから中塗りをするのが大事なポイントになります。

⑤中塗り・上塗りをする

出典:https://car-e.net/diy/syatta.php

下塗りが十分乾燥したのちに、中塗りを行います。

中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。2回塗る理由は色ムラの防止です。

こちらの塗る要領も下塗りと同じです。

最初にスラットの隙間部分を塗って、表面を塗っていきます。この時、厚塗りしないように均一に塗っていくのがコツになります。

時間を十分空けたのちに、上塗りをしてきれいに仕上げていきます。上塗りは中塗りよりもしっかりと綺麗に塗ります。

スプレーガンは初心者でもできる?

出典:http://taitaku.co.jp/staff_blog/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%A1%97%E8%A3%85/

シャッター塗装で業者さんがよく使うスプレーガンがあります。

スプレーガンの塗装はハケ目やローラー目が出ないので、見た目がとてもきれいに仕上がります。

なので、スプレーガンにチャレンジしてみたいという人もいると思いますが、簡単なように見えてスプレーガンの使用には技術が必要で、気を付けないといけないことも多いです。

まず、飛散防止のために養生をする必要がありますし、近所に迷惑をかける可能性もあります。

またそもそも、スプレーガンを使うための装備を一式そろえる必要がありますので、オススメできません。

⑥養生したものを撤去

塗料が乾燥したのを待って、マスキングテープをはがし、ブルーシートを撤去して完成です。

塗料表面が乾いたと思っても、1~2日はシャッターの巻き上げをしないようにします。

シャッター塗装を成功させる3項目

失敗しないシャッター塗装は事前に、3つの項目について、注意する必要があります。要点を抑えておけば、成功する確率はぐっと高くなります。

①環境面

晴れた日に行う

塗装の基本ですね。一日晴れているかどうかを事前にチェックして、行うようにしましょう。間違っても雨の日に行うと塗装のムラや施工不良に繋がります。

風がない日に作業する

見落としがちなのですが、風ない日に行うということは重要です。風があると、ホコリが塗装に付着したり、養生が舞って作業がしにくいです。

人のいない時間帯に行う

シャッターが設置されている場所によりますが、塗装時は塗料のニオイがしますし、シンナー臭が周りに広がります。

また道路に面している場所では人通りがあると作業に支障をきたすので事前に計画を立てておくことをお勧めします。

②準備

汚れやサビはきちんと落とす

シャッターの仕上がり具合を左右するのが下処理です。特にサビはどれだけ丁寧に除去できているかが、仕上がりに直結しますから、サビはやすりなどでしっかり削って表面の凸凹を滑らかにしておきましょう。

汚れについても事前にホースで洗い落としてないと塗装時の仕上がりが悪くなります。自分でDIYをする場合、この事前準備が甘いケースがあるので、塗装する日とシャッターの下処理をする日は分けた方がいいです。

サビ止め塗料を使う

シャッターは錆びやすいので、塗装をするなら錆止め防止のものを選択しましょう。

錆止め効果のある塗料であれば、塗ったあともサビの発生を予防してくれます。特にしっかりと塗るようにしましょう。

シャッターはよく稼働させるものなので、サビが出やすいです。しっかり塗ることで長持ちします。

③塗り方

厚塗りしすぎない

シャッターは剥がれやすいので、厚塗りは避けます。厚く塗ると、巻き上げた後にシャッターを降りなくなるなどの不具合にも繋がります。

基本的に1回目のさび止め塗料と、上塗りはしっかり塗っていきます。

上から下に塗る

塗料は垂れるので、上から下へ塗るのが基本です。

刷毛とローラーを使い分ける

シャッター塗装はまずハケを使って、隙間を塗っていきます。その後、ローラーで薄塗りをしていきます。(ただし平でないシャッターの場合は逆に塗りにくいので、ハケで塗ることになります。)

ローラーだけでは隙間は塗れませんので使い分けをしっかりすることがうまく塗るポイントです。ただし、隙間には塗料は入れ過ぎないように注意が必要です。

まとめ

シャッターの塗装について解説してみました。

自分でDIYをするにしても、一から道具を揃え、準備するとなると、それなりの費用と、準備、日にちがかかりますので、それらを考慮した上で、業者にするかどうかを検討すると良いでしょう。

とはいえ、一度やってしまえば思ったよりも簡単だと感じるかもしれません。

是非参考にしてくださいね。